国交省が発表した2026年から10年間の住生活基本計画を把握しておきましょう
今回は、先日国土交通省から発表された、今後10年の指針となる「住生活基本計画(令和8年度〜)」をテーマにお話しします。
「国がこう言っているから、不動産市場はこうなる!」と断言する方もいますが、過去の傾向を見ると、必ずしも国の計画通りに市場が動いてきたわけではありません。しかし、国の「意志」を知ることは、将来の不動産市場を予測する上で非常に重要です。
今回は、この計画のポイントと、私たちがどう向き合うべきかを整理してみました。
1. 私たちが直面する「4つの構造的な危機」
国交省は、これからの住生活において以下の4つの危機を乗り越える必要があるとしています。
① 人口減少と単身世帯の急増
2050年には全世帯の約4割が単身世帯に。ファミリー中心の住まい方では通用しなくなります。
② GX・DXへの対応
カーボンニュートラル実現に向けた省エネ化や、ITを活用した利便性向上が急務です。
③ 空き家の大量発生
相続等で発生する空き家は増加の一途。活用・管理の仕組み作りが鍵となります。
④ 激甚化する自然災害
災害に強い「強靭な」住まいと、地域全体の防災力向上が求められています。
2. 時代は「量の確保」から「質の向上」、そして「循環」へ
日本の住宅政策の歴史を振り返ると、大きな転換点が見えてきます。
- 1945年〜2000年【量の確保】:住宅不足解消のため、大量供給が最優先の時代。
- 2000年〜現在【質の向上】:安全性や快適性、居住水準を追求する時代。
- これから10〜25年【循環】:既存住宅(ストック)の価値を最大化し、有効活用する時代。
特に注目したいのは、「既存住宅(中古住宅)の価値の見える化」です。建物の性能や管理状況を正しく評価し、「古いから価値がない」という常識からの脱却を目指しています。
3. 理想と現実のギャップに注意
ここで冷静に考えなければならないのが、「国の方針=すぐに法律や税制が変わる」わけではないということです。
例えば、国は2000年頃から中古住宅活用を訴えてきましたが、実際には数年前まで住宅ローン控除に築年数制限があり、制度が方針に追いついていない時期が長く続きました。
今回の計画にある「マンション再生」や「住宅履歴の蓄積」も、民間市場でどこまで資産価値として評価されるようになるかは、まだ未知数な部分が多いのが実情です。
4. 注目すべき具体的な目標値
まとめ:これから不動産を買う人が意識すべきこと
- 国の方向性を知る:省エネ・耐震性能は将来の売却時や住み心地に直結します。
- 具体性を慎重に見極める:補助金や税制が本当に出るのか、ニュースを注視しましょう。
- 「市場の感覚」を忘れない:国が価値があると言っても、実際に「住みたい」人がいなければ価格は維持できません。
参考資料: 詳しく内容をチェックしたい方は、「住生活基本計画 2026年度(令和8年度)」などのキーワードで検索し、原文のPDFに当たってみることをお勧めします。

