住居費の節約が最高の節約術だと感じています
世の中には節約術が本当に数多くあります。節約の本やサイトを見ていますと、こんな方法があるのかと感心させられる事がたくさんあります。ですが私は、ほとんどの人の人生でもっとも節約効果が高いのは、住居費の節約だと思っています。このページでは、節約の考え方について、意見を述べたいと思います。
金額が大きなものから手を付けるのが常道です
節約術の本では、この方法で年間○万円得をします、とか○○円貯めましたという話がたくさん出てきます。もちろんその方法は有効なのだと思いますが、一方でそれらの節約金額を合計しても、それ程大きな金額にならないという事があります。
年間2万円得をしたとしても、10年間で20万円の得です。しかし、住居費で失敗すると200万円とか500万円の損を出すのも簡単です。人によっては1,000万円近い損を出す人も珍しくありません。これは不動産を購入した人が特に当てはまりやすいのですが、賃貸で借りている人であっても、数十万円単位、年数によっては数百万円単位の費用を節約することも可能なジャンルです。
これはなぜかと言えば、人が生活の中で支払う項目の中では、住居費の割合が大きく、金額が高いからです。一般的に生活費の支払いで高いものを上げますと、住居費、車代、保険代、教育費が挙げられます。どれも節約方法や費用対効果が高い方法と言うものがあるのですが、住居費は特に金額が高いため、この住居費をうまく減らすことが出来れば、他の方法で失敗したり、節約をしなかったりしても、十分以上の効果を出すことが出来ます。
逆に言いますと、住居費で、それも賃貸ではなく不動産購入という方法で確保した住まいについて経済的な失敗をしますと、他のすべてのジャンルの節約がうまくいったとしても、その節約分では間に合わないというケースは多々あります。
代表的なものはバブル時期の不動産購入で、私の知り合いでもこの時期に不動産を購入したために、1,000万円以上の損を出したり、破産してしまったという人もいます。
今ではバブルのような大きな経済の波は無いと考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には現時点(2017年)でも住宅ローン破綻をされる方はたくさんいらっしゃいます。破綻される理由は人それぞれですが、何らかの失敗があったがために、破綻してしまった訳ですので、少なくとも節約の効果は出なかったのでしょう。
住居費の節約には色々な方法があるのですが、ここでは不動産を購入した場合の節約法の代表例をお話ししたいと思います。
資産価値が落ちない不動産を買うのが最大の節約につながります
節約と言う表現が正しいのかどうかは分かりませんが、トータルで住居関連の費用を抑える最大の方法は、資産価値が落ちない物件を買う事です。落ちないという言い方は言い過ぎかもしれません。少なくとも価格の下がり幅が小さな不動産を買う事が最大の節約につながると私は考えています。
不動産は仮に永住するつもりであっても、最終的には誰かが手放すものです。その手放す人が、皆さんのお子さんやお孫さんであることもあるでしょうが、何世代にも渡って持ち続けるという事はめったにありません。
そして不動産は購入してから手放すまでのトータルの支出額で、支払額が確定します。例えば、3,000万円で購入した不動産が10年後に2,900万円で売れたとしたら、その差額の100万円と売買にかかった費用の合計が、10年間の支払総額になります。
実はこの考え方は、住宅ローン破綻を回避できる最も有効な方法でもあります。住宅ローンの破たんは支払いに無理があったとか、急な減収があったなど様々な要因が言われていますが、本質はそうではありません。住宅ローンが払えなくなったとしても、購入した時と近い価格で売れれば、結局ローンは返すことができるからです。
資産価値が大きく下がらなければ、返済できなくなった際にも対応が可能になります。そしてこの考えは、実際に破綻しなかったとしても、所有期間を通じたトータルの費用を安く上げる事ができます。
このお話をしますと大変長くなってしまいますが、この考えを知っているか知らないかだけでも、住居費にかかるお金をどう考えるかは変わってきますし、うまくすれば住居費を大きく下げる事が可能になります。この話は当社のサイトでたびたびお話ししています。「2-01.将来破綻しないために知っておきたいことがあります」のページもお話ししていますので、よろしければこちらのページもご確認ください。
同じ効果の住宅ローンであっても数十万円差は簡単に出ます
売却時だけではなく、購入時にちょっとした注意をするかしないかでも、かかる金額は大きく変わります。代表的なものとしては、どのローンを組むかによっても支払額は変わります。
これは変動金利か固定金利かといった話では無く、全く同じ条件の金融商品であっても支払額は大きく違う事があるという話です。
代表的なものは手数料と諸費用です。同じ金利で同じ返済期間の住宅ローンであったとしても、この2つの費用は金融機関によって大きく異なります。特に保証料は50万円とか60万円といった費用が掛かるケースがよくあるのですが、金融機関の選び方によってはこの費用をゼロにすることも可能です。この場合はその分手数料が大きくなることが多いのですが、トータルでは30~40万円位安く済ませられるケースが良くあります。
これも知っているか知らないかで生まれる差です。よく知らないまま不動産会社がお勧めする銀行を選んでしまうと、知らずにこういった費用を損してしまう可能性もあります。
このあたりの話は「住宅ローンの保証料は借りる人を助ける仕組みではありません」のページや「2-02-06.住宅ローンは5つの要素を考えて決めるべきです」のページでも説明しています。
プロから見れば当たり前の話で、ノウハウというレベルの話ではありませんが、すべての不動産会社が懇切丁寧に教えてくれるかと言えば、そうでないケースも多々あります。そして知らないまま損をしてしまい、ずっとそれに気が付かないという事もよくあります。
住居費の節約は知っているか知らないかの差だけです
このページで挙げました節約の考え方は、不動産に関わる節約方法のごく一部です。実際にはもっと多くの事を知り、何を選ぶかを考えなければなりません。
皆さんに知って頂きたいのは、これら住居費、購入に関わる住居費の節約については、日々努力して行う節約ではないという事です。こういった節約ができるかどうかは、知識があるかどうか、節約できる方法を知っているかどうかだけの差です。
もちろん中古の住宅を買って住む場合には、新築と比べて当初は気分が良くないかもしれません。ですが我慢しなければならないというケースはほとんど無いでしょう。住宅購入者のアンケート等を見ても、新築だからというこだわりがそのまま満足感につながっているという結果はあまり多く出ていません。
最終的には不動産を購入される方の価値観によって決まるものですので、どれが正解であると言い切れるものではありませんが、購入前に極力広い範囲の情報を得て、その上で本当にその選択で正しいかどうか、節約の効果をどこまで考えて決めるか、条件を照らし合わせたうえで決めて欲しいものだと思います。
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