不動産業界のリアルな視点から、良い仲介会社を見極めるステップを解説します
「そろそろマイホームを」と思ったとき、多くの人はまず「物件」を探し始めます。しかし、実はその前にやるべき、非常に重要なことがあります。
それは、「信頼できる仲介会社(担当者)を選ぶこと」です。今回は、良い仲介会社を見極めるための「知識武装」の重要性についてお話しします。
1. なぜ「物件」より先に「担当者」なのか?
不動産選びにおいて、間に入る仲介担当者の質は、最終的な満足度に直結します。どれだけ魅力的な物件でも、担当者が不誠実だったり、知識が乏しかったりすると、思わぬリスクを見逃したり、自分たちに不利益な契約を結んでしまう可能性があるからです。
誰が良い担当者なのかを判断するには、「自分自身の知識」という基準が必要です。
2. ネット情報の罠:断片的な知識に頼らない
ネットには「こんな家は買ってはいけない」「物件選びのコツ」などの情報が溢れていますが、2つの大きな落とし穴があります。
- 断片的な情報が多い: 体系立てられておらず、全体像が見えにくい。
- 利益誘導の可能性がある: 発信者にとって都合の良い方向に話が誘導されているケースがある。
これらを見抜くためには、表面的なネット検索だけでなく、より深い学習が必要になります。
3. 最強の武器は「知識」。あえて質問してみる
良い担当者を見極める最も有効な方法は、「自分が正解を知っていることを、あえて質問してみる」ことです。
- 自分が勉強して得た知識と、担当者の回答に乖離はないか?
- 分からないことを「分かりません」「調べておきます」と正直に言えるか?
- 勢いだけで適当なことを言っていないか?
これらを判断するために、自分の中に「正解の基準」を持っておかなければなりません。
4. 具体的アクション:まずは「大きな書店」へ
お勧めは、ネットではなく「書籍」での学習です。
なぜ本なのか?
- 体系化されている: 基礎から応用まで、順序立てて網羅的に学べる。
- 信頼性が高い: 著者の責任、出版社の編集・校閲を経て世に出ている。
- 広告の影響が少ない: 特定の企業への忖度(そんたく)が少ない。
学習のロードマップ
1
大きな書店へ行く: 専門書が豊富な場所を選びましょう。
2
入門書を1冊選ぶ: 自分のレベルに合いそうなものを徹底的に読み込みます。
3
ステップアップ: 1冊分の知識が入ったら、再度書店へ行き、別の本を選びます。これを繰り返すことで、知識は格段に向上します。
5. まとめ:急がば回れの「知識武装」
「素直に聞きに来てほしい」と言うプロもいますが、相手が「本物」かどうか分からない段階で丸腰で挑むのはリスクが高いと言わざるを得ません。
【いい不動産に出会うための手順】
- まず本を読み、体系的な知識を身につける(知識武装)。
- 仲介担当者と話し、その能力や誠実さをテストする。
- 信頼できる担当者と共に、物件を吟味する。
いきなり物件の内見に行くのではなく、まずは「自分自身の知識を蓄える」ステップから始めてみてください。それが、最終的に「いい不動産」を手に入れるための最短ルートになるはずです。

