2015年のマンション市場はバブルであると言えそうです
2016年7月28日に不動産専門の情報サービス会社である(株)東京カンテイが、2015年に販売された新築マンションと中古マンションの年収倍率を計算した結果を発表しました(「都道府県別 新築・中古マンション価格の年収倍率2016」を公表:注:データは2017年7月発表のものに更新)。
詳細は元データを見て頂きたいのですが、この結果を見る限り現在の新築マンションはバブル価格と思われるという事です。この点について、私の意見を述べたいと思います。
マンションの平均価格が世帯年収の6倍を超えるとバブルと判断すべきです
2015年の70平米相当の新築マンション価格の全国平均は、3,288万円だそうです。そしてこの土地の平均年収は429万円ですので、新築マンションの年収倍率は7.66倍となりました。
東京カンテイによると、1992年の7.64倍を上回る過去最高記録だそうです。1992年と言えばバブルがはじけた直後ですが、ついにこのレベルに来たのかという印象を受けます。
当社:ふくろう不動産がある千葉県では新築マンションの平均価格が4,727万円、平均年収が453万円ですので、年収倍率は10.43倍にもなります。千葉だけではなく、首都圏(1都3県)ではすべて10倍以上の年収倍率になっています。
どの位の比率になればバブルと考えるかは人によって異なりますが、私は年収の6倍を超える状況であれば、バブルであると考えています。今回は7倍以上ですから、この基準をはるかに超えています。
もちろん年収倍率の計算は平均値を取っているため、すべての購入者に危険がある訳ではないでしょうし、すべての新築マンションがバブル価格とは限らないでしょう。しかし、一定の率でバブル価格となっているマンションがあると思われます。このバブルがはじけた時に、そのマンションの資産価値がどうなるのか、想像するだけでも恐ろしいものがあります。
千葉県のマンションは築10年で価格が半分以下になるようです
東京カンテイのデータでは中古マンションについても年収倍率を出しています。千葉県では築10年のマンションが2,357万円で、年収倍率は5.20倍となっています。千葉県は前年と比べ、中古マンションの年収倍率が下がっている珍しいエリアですが、首都圏全体や全国を見ますと、中古マンションの年収倍率も上がっています。
千葉県だけで見ますと、新築マンションの平均が4,727万円、築10年の中古マンションが2,357万円ですから10年間で価格はほぼ半分になっています。10年間で2,370万円の下落、平均すれば毎年237万円分資産価値が下がっている事になります。
不動産の経済性、マンションの資産価値の確保という点から見れば、あまり良い成績ではありません。中古マンションもバブルの影響で若干価格が上がっていると思われるのですが、これがバブル崩壊後に価格が崩れ、もっと価格が下がるようになると、資産価値は維持できないと思われます。
もちろん物件ごとに資産価値が維持できるかどうかが異なるでしょうが、平均で見れば負ける率が圧倒的に高い訳ですから通常以上にマンションを見る目が要求されるのは確かではないかと思います。
千葉の中古戸建てはバブルとは思えないのでマンションとは別世界だと感じます
当社:ふくろう不動産が主に取り扱っている千葉市、八千代市、習志野市、船橋市の中古戸建て住宅では正直なところ、バブルの影響を全く受けていないように感じます。
ここ数年で急速に価格が上がったという感じは受けませんし、むしろ安くなっているのでは、と感じる事もあります。戸建住宅では、新築住宅を安く建てられる技術が発達したせいか、新築でもそれなりの価格で手に入れる事が出来るようになりました。
当社の営業範囲内で言えば、新築住宅でも2,000万円台後半から3,000万円台前半で手に入れる事ができます。そのため中古の戸建住宅はそれよりも安い価格にせざるを得ず、それほど悪くない場所でも2,000万円前半で取得が可能だったりします。
この感覚で仕事をしていますと、戸建住宅と比べるとマンションの価格は本当に高くなっているのではないか、と感じられます。これは、マンションは投資目的で購入する人が多いことに比べ、戸建は実用目的で購入されるケースが多いからではないか、という気がします。
今は20年以上前のバブル期と異なり、マンション購入者には外国の方も多くなっています。外国の方はローン等も組まずに購入される事も多いですし、外国の方の収入がこのデータに反映されているとは思えないので、単純に年収倍率で比較できないのですが、戸建住宅の価格などの比較から考えても、マンションの価格は本来あるべき価格よりも高くなっているように感じます。
もっとも本来あるべき価格というものが本当にあるのかは分かりませんし、将来不動産の価格がどうなっていくのかが、正確にわかる人はどこにもいません。今のマンションの価格が高いのでは、という意見も私の予想でしかありませんので、間違っている可能性も十分にあります。
ただ、先の事が分からないからと言って、先の事を予想せずに買って良いという話でもありません。世の中に出ている様々なデータや意見、新築マンションの購入を考えている人は、中古マンションや戸建住宅の価格なども見ながら、そのマンションは資産価値を維持できるのかどうかを考えたうえで、購入すべきだと思います。
このページの内容は、ふくろう不動産の意見でしかありません。この意見について聞きたい事や異なるご意見、ご相談などがある方は、「お問い合わせフォーム」をご利用の上、ご連絡ください。当社:ふくろう不動産がどのような会社なのかについては「ふくろう不動産とは」のページをご確認ください。
One thought on “2015年のマンション市場はバブルであると言えそうです”
Comments are closed.