2014年度の民間住宅ローン利用者の実態調査報告が発表されました
2月13日に住宅金融支援機構から「2014年度民間住宅ローン利用者の実態調査【民間住宅ローン利用者編】(第2回)」が発表されました。
これは私が編集者時代から毎回チェックしている報告書です。この報告書を見るたびに毎回色々なことを思うのですが、今回も報告結果を見て考えさせられたことについて、少しお話ししたいと思います。
フラット35の利用者は約27%と前回調査よりも割合が減っています
全期間固定型の金利を選んだ人は26.7%となり、前回の29.4%よりも減っています。その分変動金利を選んだ人が増えている訳です。私個人の意見では、これだけ金利が下がっているので、金利の安い時期に固定金利で組んだ方が得なのではないかと思っていますが、実際には違う意見の方の方が多いようです。
もちろんこれは借りる人の判断ですので、この結果について良い悪いを言うつもりはありません。
他の金利タイプと比較している人が少ないのは驚きです
アンケートの質問には、住宅ローンを借り入れする際に他のローンを比較したかどうかという項目があります。その結果が上のグラフです。
私が1番驚いているのがこのグラフです。変動金利を選んだ人は、他の金利タイプと比較しない人が1番多い比率となっています。変動金利はそれなりにリスクがある住宅ローンです。(「2-02-03.住宅ローンは固定金利と変動金利のどちらを選ぶのが正解でしょうか」参照)
色々と考えたうえでローンタイプを選ぶのあれば選択の問題です。しかし他と比較していない人が44.6%と半分弱もいます。自分で研究した後でこの金利タイプを選び、迷う必要が無かった、というのであれば良いのですが、もしなんとなくで決めてしまったのであれば、後が心配です。
金利リスクの理解度調査も毎回不思議な結果です
また、全期間固定金利を選んだ人以外には、毎回金利リスクについての理解度の質問があります。項目によっても理解度は違いますが、半分弱の方はよく理解しているという自覚は無いようです。謙遜して答えている人もいると思いますが、理解が充分では無いまま、住宅ローンの借り入れをしているというのは、結構怖いことでだと思います。
もっともこれは自己申告ですから、本当に理解していると答えた方もどこまで理解しているかは分かりません。これには逆のパターンもあります。固定金利を選んだ人は金利リスクを十分理解していると思われるのですが、借り入れをして数年後に変動金利タイプに借換えをする人が結構います。借入当時や借換え当時の理解度がどのくらいなのかは、本人であっても分からないものなのかもしれません。
この調査報告では他にも気が付くこと、面白いと感じることが結構あります。これから不動産を購入しようと考えている方は、参考までに1度見てみてください。