居住用の不動産を買う場合でも、不動産投資について少しは知っておくべきです

一般的に自分で住むための住まいを購入しようとしている人は住まい関連の本だけを、逆に不動産投資を考えている人は不動産投資の本だけを読んでいる人が多いと思います。もちろん自分の使い方に合わせて、その内容に合った本を読むのは良い事ですが、得られるべき知識が偏ってしまい、本来知っておきたい知識が十分に得られないという難点が出てきます。

そこで、同じ不動産の購入についてであっても、少し違う切り口の本を混ぜて読むという方法もお勧めです。当社では居住用の不動産の購入のお手伝いがほとんどであるため、投資については詳しくありませんが、不動産投資本を読むことで考え方を参考にしているところもあります。

以前当社のサイトで「自分で住む住まいをお探しの方も1度は不動産投資の本を読むべきです」と言う記事を書き、そのページでも不動産投資本のお勧めを紹介しました。今回はその追加版という位置づけで、もう1冊投資本のお勧めを紹介したいと思います。

私見では不動産投資本は住まい本以上にハズレの多いジャンルだと考えています

居住用であれ投資用であれ、不動産を買う前には一定以上の勉強が必要だと私は考えています。もちろん全く勉強せずに勢いで不動産を購入される方もたくさんいらっしゃいますが、金額の高い商品である以上、勉強しておいた方が、不動産購入で失敗する率をはるかに小さくできます。

不動産の勉強をするのに最も効率的な方法は、関連書籍を読むことだと思います。雑誌やネットでも様々な情報が出ていますが、この記事を書いている2017年時点では、書籍の方がはるかに質の高い情報が載っています。

勉強本のイメージ

書籍による勉強は、最もコストパフォーマンスが高いと私は考えています。

雑誌であれば、広告主の思惑が強いため、情報が偏っている事が多くありますし、サイトに至っては明らかに間違いと思われる情報も多数載っています。当社の情報発信もネット中心ですので、ネットの悪口はあまり言いたくないのですが、毎日多数の不動産系ネット情報をチェックしていますと、ひどい記事に会う事もまれではありません。

その点書籍は、それなりに正しい情報、役に立つ情報が載っている率が高いと思います。ただ「それなりに」と制限が入った書き方をしていますのは、不動産関連の書籍は、雑誌やサイトよりは良いと言ったものの、おかしな内容の書籍もそれなりにあります。そして、住まい本よりも不動産投資本の方が、おかしな内容の本が多いように感じます。

これは不動産投資の場合、投資を勧めている会社が自社の宣伝のために作った書籍が数多くある事や、著者が個人の経験で偶然うまくいった例を載せているだけという本の率が、他のジャンルの本よりも高いからだと思います。

特に自社で投資用マンションやアパートを販売している会社、または投資セミナー等を運営している会社の関係者が著者となっているマニュアル本には注意が必要です。会社の宣伝目的で書かれた本をバイブル本と呼ぶのですが、不動産投資本はこのバイブル本の率が高いジャンルです。

そしてバイブル本では、その会社に不利になる情報は隠されていたり、投資家に明らかに不利な内容であっても、その内容が正しいと強く主張されていることもありますので、本当に注意深く読まなければなりません。

また不動産投資の場合(実は居住用不動産でも同じなのですが)、最終的に売却した後でなければその投資が成功したかどうかは確定できません。にも関わらず、所有している最中であっても成功した事例として扱われたり主張されていたりすることも多くあります。月々何十万円の収入が出来ました、というだけで不動産投資が成功したかどうかは分かりません。売却時の損益も含めて計算すべきものだからです。

マニュアル本でハズレを引かない確実な方法と言うものはありません。そのため複数の本を買って、内容を比較し、良いと思われる本だけを残すという事になります。

失敗事例が多い本の方が役に立つケースが多いように感じます

ただ、居住用の不動産を買おうとしている人であれば、投資本を何冊も買うというのは抵抗があると思います。そこでこのページではとりあえずお勧めの不動産投資本を紹介したいと思います。

それは「失敗事例に学ぶ!不動産投資 成功の教科書」(日本実業出版)という本です。

失敗事例に学ぶ不動産投資成功の教科書

オーソドックスな内容ですが、不動産投資の初心者はもちろん居住用不動産購入希望者にも役に立つ内容です。
出典:日本実業出版社

この本を読めばすぐに不動産投資ができる、というものではありませんが、不動産投資の失敗のよくある例が多数掲載されています。そして、これら不動産投資の失敗は実は居住用不動産購入時の失敗と内容が重なるものがたくさんあります。

この本の良いところは、考え方があまり偏っておらず、ありがちな失敗とその対処策を淡々と述べている点だと思います。投資系の本は変に人を煽るような内容が書かれているケースも多いのですが、この本では精神論的な話や、日本経済がどうだという大掛かりな話も少なく、実務中心で書かれていますので、参考にしやすいと思います。

他にこの本で参考になるのは、変な不動産会社がたくさんある事が分かる、という点もあります。この本はトラブルの項目ごとに、そのトラブルが起こる頻度のマークがあるのですが、一番頻度が高いトラブルケースの中に
・不動産屋さんにお説教されてしまった
・不動産さんの言うことがウソだらけだった
・不動産屋さんとゼンゼン話がかみあわなかった
等の内容が入っていました。

実際に変な不動産会社が多いことも確かですので、このような不動産会社があるという事を事前に知っておくのも良い事だと思います。一方で私自身、ここで書かれたような不動産会社になっていないかどうかを気を付けなければならないと思い知らされました。

勉強期間は半年から1年で本は5冊から10冊は読みましょうとの主張があります

また、この本の中では不動産投資についてはきちんと勉強しましょう、という内容が書かれていました。その中では、勉強期間は半年から1年、本や5冊から10冊は読みましょう、という記述があります。ただこれで十分という話では無く、それでも理解が足りないと感じたら、もっと本を読むなり、CDやDVDを買ったり、セミナーに参加したりしましょうとの主張があります。

これは投資だけでなく、居住用不動産を買う場合でも同じような話だと私は思っています。居住用の場合は、DVDやセミナー等はあまりありませんが、勉強に半年以上時間をかけるという点と、本をたくさん読むという点では大賛成です。

お金と時間がかかる

不動産の勉強にはある程度はお金と時間がかかると考えておく方が良いと思います。

投資の場合には投資自体を理解しなければならないという点がありますが、居住用の場合では、自分は何に価値観を置きたいのかが分からないという事があります。そしてその価値観は単に物件を見るだけでははっきりと分からないという事もあります。これが、関連本を読んでいるうちに、自分が欲しかったのはこれだ、と分かる事もありますので、その意味でもある程度多くの本を読むことをお勧めしたいと思います。

世間では住まい本も投資本もたくさん出ていますので、これを読めば大丈夫とかこの1冊ですべてOKという本はありません。ですが、基本となる本を何冊か押さえ、その知識があるだけで失敗を防ぐ率はかなり高くなりますので、基本となる本は押さえておくべきだと思います。このサイトでも後日おすすめ本について記事を書く予定です。

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