不動産購入の経験者の話は本当に正しいのでしょうか?
不動産を買おうと決めたとき、私たちはネットやSNS、不動産会社から膨大な情報を集めます。しかし、その情報は本当に正しいのでしょうか?
今回のテーマは「情報の検品」。信じ込んでしまうと危険な「プロの意見」や「経験談」の裏側を知り、どうやって納得のいく決断を下すべきかを解説します。
1. 「正解」は存在しない。あるのは「データ」だけ
不動産選びにおいて「これが絶対の正解だ」という結論は存在しません。あるのは、その物件が持つメリット、デメリット、注意点といった「客観的なデータ」だけです。
情報を集める際は、以下の2つのバイアス(偏り)に注意する必要があります。
- プロの意見: 利害関係があるため、自分たちに都合の良い「ポジショントーク」になりやすい。
- 経験者の意見: たまたま上手くいっただけの「生存者バイアス」や、自分の選択を正当化したい「確証バイアス」がかかっていることが多い。
2. プロの言葉は「ポジショントーク」だと心得よ
不動産仲介のゴールは「契約」です。成約して初めて手数料が発生するビジネスモデルである以上、営業マンが「この物件はやめたほうがいい」とアドバイスすることは、自分の利益を捨てることを意味します。
対処法:結論ではなく「スペックへの不満」を問う
「買ったほうがいいですか?」と聞くのではなく、以下のような質問をぶつけてみましょう。
- Q.「この物件のスペックで、あえて不満を挙げるとしたらどこですか?」
- Q.「売却時に想定される最大のデメリットは何ですか?」
- Q.「周辺の類似物件と比べて、ここが劣っている点は?」
3. 経験談は「n=1(たった一例)」に過ぎない
SNSやブログには「こうして成功した」という体験談が溢れていますが、それらは極めて限定的な事例です。
- 生存者バイアス: 購入・売却のタイミングがたまたま相場に恵まれていただけかもしれません。
- 再現性の欠如: その人の年収、勤務先、時代背景が違えば、あなたに同じ結果が訪れるとは限りません。
コツ:体験(事実)と理論(予測)を切り分ける
「その人がそう感じた」という感想は事実として受け止めつつ、「だから次もこうなる」という理論には慎重になりましょう。
4. 情報の信頼性ピラミッド
信頼性の目安
【高】公的な統計データ(国土交通省など)
【中】実務家の解説(プロの知見)
【低】個人のSNS・ブログ
【極低】匿名掲示板・噂話
5. 最後に決めるのは自分。「許容できるリスク」を探す
どんなに完璧に見える物件でも、リスクやデメリットがゼロの物件はこの世に1つもありません。
不動産購入の正しい判断とは、「あらゆる情報を検品し、どのリスクなら自分は許容できるか」を見極めることです。

