街選びの参考になる「環境」と「資産価値」のチェック方法をお話します

マイホームの購入は人生の一大イベント。希望の物件を見つけることも大切ですが、「どの街で暮らすか」を決めることは、その後の生活の質や将来の資産価値に直結します。

ハザードマップや地理的な安全性といった基本的なチェックは済ませたとして、今回はそれ以外の重要な2つの観点、「住環境の好み」と「資産価値の維持」について、具体的にどこを見ればいいのかを解説します。

1. 住環境の良し悪しは「比較」と「現地」で決まる

住環境の好みは人それぞれです。ある人にとっては「活気がある」街並みでも、別の人には「治安が悪そう」に映ることもあります。そのため、最終的な判断は必ず現地に足を運び、ご自身の感覚で行うことが基本です。

判断の精度を高めるために、現在住んでいる街と比較しながら、以下のポイントをチェックしてみましょう。

🏠街の傾向を知るためのチェックポイント

1. 書店・本屋のラインナップ

街に書店があれば、その品揃えから住民の傾向を推測できます。

  • 子育て世帯が多いか?:絵本コーナーや、学習参考書・問題集の充実度を見ます。充実していれば、子育て世帯が多いエリアであると判断できます。
  • 高齢者が多いか?:高齢者向けの趣味の雑誌が多いかどうかも参考になります。
  • どんな趣味を持つ人が多いか?:趣味の雑誌のジャンル(アウトドア、料理、車など)を見ます。

2. スーパーのお弁当コーナーの価格と内容

日常の買い物の利便性をチェックするのはもちろんですが、お弁当の内容は住民の層を推測するヒントになります。

  • 価格が安く、炭水化物が多いガッツリ系が中心:若い単身者や家族が多いエリアの可能性があります。
  • 価格が高く、上品で量が少ないものが多い:裕福な層や、高齢者の比率が高いエリアの可能性があります。

3. 公園と近所の車の種類

具体的な住民の雰囲気や裕福度を推し量るために、人や車の様子を見るのも有効です。

  • 公園:遊んでいるパパ・ママの服装や雰囲気、またベンチ周辺にタバコの吸い殻などのゴミが多いかどうかで、街の雰囲気をチェックします。
  • 近隣の車:軽自動車、ミニバン、高級車、改造車の比率を、今の居住エリアと比較してみましょう。高級車の比率が高ければ、裕福な住民が多いと推測できます。

4. 夜のコンビニと駅前パーキング

時間に余裕があれば、金曜日や土曜日の夜にコンビニの駐車場や駅周辺のコインパーキングをチェックしてみましょう。変な人が集まっていないかなど、週末の夜の様子を見ることで、普段とは違う街の側面が見えてくることがあります。

2. 資産価値の維持を予測するチェックリスト

資産価値の維持は、個人の好みとは切り離して、客観的なデータに基づいて考える必要があります。未来の予測でしかありませんが、ある程度の予想を立てておくことは重要です。

📈将来性を測るためのチェックポイント

1. レインズの成約データ(不動産会社経由)

不動産仲介会社に相談し、レインズ(不動産流通標準情報システム)の成約データを見せてもらいましょう。

  • チェック内容:検討している物件(例:築20年のマンション)と同じエリアで、築30年、築40年の類似物件がいくらで取引されているかを見ます。
  • 目的:ご自身が購入する物件の10年後、20年後の価値を予想するのに役立ちます。

2. 公的な地価の推移(工事など)

工事(国土交通省地価公示)や路線価といった公的なデータで、過去10年程度の地価の推移グラフを確認しましょう。

  • 緩やかに上昇、または横ばい:将来性も悪くないと判断できます。
  • 急激な上昇:反動で下がる可能性も考慮が必要です。
  • 周囲が上がっているのに、その街だけ下がり続けている:注意が必要です。

3. 駅の乗降客数

乗降客数が多い駅は、それだけ多くの人が利用している、つまりその街に住んでいる人が多いことを示します。

  • 乗降客数が多い理由:一度その街に住み着いた人は、愛着から離れがたい傾向があります。そのため、乗降客数が多い=人口が維持されやすい=資産価値が維持されやすい、という推測が成り立ちます。

4. ナショナルチェーンの店舗や大手銀行の支店の有無

大手企業は、多大なマーケティング力を使い、将来衰退しそうな街には出店しません(または撤退します)。

  • ナショナルチェーン:大手飲食店や物販店が出店している、または支店が多いということは、その街が一定の規模を維持できるという企業判断の裏付けになります。
  • 大手銀行の支店:銀行は、お金を持った人が集まる場所にしか支店を出しません。支店があることは、ある程度の富裕層や経済活動が期待できる場所であると推測できます。

5. 【番外編】コインパーキングの価格と数

駅周辺にも関わらず、コインパーキングの数が多く、かつ料金が非常に安い場合は、少し注意が必要です。

  • 推測のロジック:人気エリアであれば、土地をコインパーキングにするよりも、マンションや商業ビルにした方が利益が出ます。それができていない(空き地が多く、競合が激しく料金が安い)ということは、高い価格では売れない、つまり不動産としての需要が低い可能性があると疑うことができます。

まとめ

今回ご紹介したポイントは、あくまで街の良し悪しを判断する「材料」であり、すべてが正しいわけではありません。しかし、「何を見ればいいか分からない」状態で漠然と街を見るよりも、これらのテーマや視点を持って街を観察することで、その街の良し悪しや将来性をより高い精度で判断できるようになります。

ご自身のライフスタイルと資産計画に合った、最高の街選びをしてください。

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