家の売却は買うときと比べると注意ポイントは少なくなります。少ないからといって重要でない訳ではありません。大きなポイントは2つあります。
1.高く売れるかどうか
2.後から責任問題とならないか
の2つです。

より高く不動産を販売できるか

後から訴えられないようで事前にどのような対策を立てられるか

不動産は販売すればそれで全て終わりという訳にはいきません。その不動産に問題があった場合は、損害賠償請求などで訴えられる可能性が常に残ります。

細かな話をすれば、もちろんもっと多くの注意点はあるのですが、まずはこの2点を問題なくクリアすることを考えましょう。

不動産が高く売れるかどうかはどの不動産会社に頼むのかが重要です

 

会社のイメージ写真

どの会社に頼んでも、1番高く買ってくれる買主を探してくれる、という訳ではありません。

高く売れるかどうかについては、
・いつまでに売りたいか
・どの不動産会社に依頼するか
・どの営業員に依頼するか
の3つで概ね内容が決まります。

特にどの会社に依頼するかは重要です。不動産会社に頼めば、どの会社に頼んでも一番高く買ってくれる買主と仲介してくれる訳ではありません

これは仲介業のシステムによるものですが、仲介会社は自社の利益が一番高くなるような契約をしたがります。そして利益が出る相手は、必ずしも高く買ってくれる買主とは限りません。このあたりの詳しい話は第1章で説明します(「第1章.その不動産が高く売れるかどうかは不動産会社の方針に左右されます」参照)。

不動産は売却後でも訴えられることがあります

訴えられるイメージイラスト

不動産を売る際に、売買契約も無事終わり、高い金額で売れて、やれやれ、と終わったつもりになるかもしれません。しかし後から訴えられる危険がそれなりの可能性であります。

また、後から責任問題にならないかどうかについては、担当する営業員が瑕疵担保責任などについてどのくらい詳しく、かつどういった対策を立てているかで大体決まります。

このあたりは、後から問題になり、裁判沙汰になることもそこそこあります。第2章でこの問題を詳しく解説しますが、これは知らなかったで済まされる問題ではありません(「第2章.後から責任問題にならないか」参照)。

中古住宅であるから現状有姿での売買、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、建物に雨漏りがあったり、シロアリの被害があったりと問題があった場合は、後から損害賠償の対象となります

知っていながら告知しなかったというのはそもそも論外ですが、瑕疵を知らずに売ってしまったとしても、損害賠償の責任から逃れる訳にはいきません。更にこの損害賠償について売主の仲介を行った不動産会社に責任を取らせようと思っても、特別なケースを除けば、仲介会社にその責任を押し付けることはできません

これは不動産仲介会社は建物の検査の専門家ではなく、一般的な確認をしているのであれば(通常は目視レベル)仲介会社に落ち度はないとされ、実際の判例でもそのような結論になっています。ですので、後から責任問題とならないためには、売主自身が気を付けなければなりません
どういった内容に気を付けたら良いのかの詳細は、第2章でお話しします。

このグループでは、以上2つの大きな注意点に加え、
3.買い替えの際の注意点
4.売るときにかかる可能性がある税金
の4項目についてお話しします。

このような内容について詳しくお話しするために、この第2部「失敗しない不動産売却」は次のような構成となっています。

第2部 失敗しない不動産売却(このページです)
第1章 その不動産が高く売れるかどうか
第1節 不動産の売却は会社選びが最も重要
第2節 査定価格にどんな意味があるのか
第2章 後から責任問題にならないか
第1節 さまざまなトラブル例で瑕疵担保責任を学ぶ
第3章 買い替えの注意点
第4章 売るときにかかる税金

当社:ふくろう不動産は不動産を買いたいという人のための活動が中心ですので、売りたい人のためのノウハウがそれほど多くある訳ではありません。ただ、売りたい人はどのようなことに気を付ければ良いか、一般の方よりもそれなりには知識があります。この第2部では不動産を売りたい人が知っておくべき基本を、なるべく丁寧にお話ししたいと思います。

次のページはこちら 「1章.その不動産が高く売れるかどうか」

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